AniLaPaint 1.7/ビュー/画像のビュー彩色画像のビュー

 
カットフォルダー上に配置された彩色画像ファイルを開いて編集するためのビューのことを彩色画像のビューと呼びます。
彩色画像のビューでの編集作業
 予め用意しておいた色指定表に準じて色を塗る作業
 色トレス線の尖った部分の表現の補正をする作業
 色トレス線と実線の交点から実線が飛び出しているのを補正する作業
黒マスク表示
透明色の変更
彩色画像のビューでの編集作業
彩色画像のビューで行う編集作業は、次の3つです。
予め用意しておいた色指定表に準じて色を塗る作業
色指定パネルパレットパネルを開いて、キャラクターの色指定表または色指定パレットを開きます。そして、バケツ塗りツールを利用して色を塗っていきます。

キャラクターの色指定にまだ慣ないうちは、色指定パネルを使うと、どの部分がどの色かがよく分かるので素早く仕上げられます。


キャラクターのどの部分がどの色かが感覚的に分かるようになってきたら、パレットパネルを使ったほうが断然速く仕上げられます。
 
コツとしては、パレット・ファイルを作成する際に、「全身」のパレットのみならず「バストショット」とか「服装」とかカテゴリー分けをしたパレットも用意することで、パッと見た時の選択肢が少なくするように工夫することです。

垂直タブ グループの新規作成コマンドやビューのタブを右にドラッグするなどして、すでに仕上げ済みの彩色画像と次に仕上げる画像を並べて表示し、すでに仕上げ済みのビューをスポイトツールに固定し、仕上げる方のビューをバケツ塗りツールにすることで、左右のビューを交互にクリックして仕上げていく方法もあります。動画順に仕上げた場合、前後の絵が似通っている場合が多く、どの部分がどの色かの判断がしやすいのでかなり速く塗ることができます。
 
ただし、 スポイトツールに固定したビューの方は、2回連続してクリックしてはいけません。2回目のクリックでスポイトの固定が解除されバケツ塗りに変わってしまいます。これは仕様です。その場合にはもう一度、すでに仕上げ済みのビューをスポイトツールに固定し、仕上げる方のビューを単色ブラシツールに設定する必要があります。
色トレス線の尖った部分の表現の補正をする作業
 
右が彩色画像のビューで左が自動生成されたセル画像のビューになっています。彩色画像の色トレス線はあまり綺麗な尖がりになっていませんが、自動的に作成されたセル画像のとがり具合はそれほど悪く出来になっています。このような尖がり部分はある程度アルゴリズムによって尖った部分だと判断され処理されるからです。

もっとシャープにしたい時には、ある程度彩色画像に手を入れる必要があります。反転有効コマンドを利用すると、今まで保護されていた色トレス線が保護されなくなり、替わりにすでに塗っている色の部分が保護されます。すると、色トレス線だけに色を塗れるようになります。

折れ線ツールに切り替えて尖んがり頂点で折り返すような折れ線で塗ります。
 
そして、セル画像を作成して開く...コマンドで、セル画像を更新すると
 
このように多少前よりは尖った感じになります。

この折れ線ツールを用いて既存の色トレス線を削る手法は、色トレス線が凸凹している部分を削るなどの加工にも利用できます。折れ線だと、線の太さが関係してくるので、多角形塗りツールを利用したほうがもっと正確にコントロールできるかもしれません。

色トレス線と実線の交点から実線が飛び出しているのを補正する作業
 
右側の自動生成されたセル画像を見ると、色トレス線の端に少し実線が飛び出していることが分かります。なぜこのようなことが起きるかというと、それは動画自体に問題があるからです。一般的に、原画や中割の下描き等をトレスして動画を作成するとき、先に実線を鉛筆またはシャープペンシルなどでトレスし、その後、色トレス線の部分をトレスしていると思います。実はこの工程自体に問題があり、色トレス線でトレスする際に鉛筆の粉を若干だけど色鉛筆の先端が引き伸ばしてしまうために、このような現象が起こります。かなり注意して、色トレス時には常に線の中央から端へと鉛筆を進めるようにすればこの現象は起こりません。しかし実際それが可能なのは、おそらくプロで現役の動画マンくらいなものでしょう…。このようになってしまった部分の補修がどうしても必要になります。

補修の方法ですが、実はこれは彩色画像の修正よりも先に、実線画像の修正が必要となります。同じ部分の実線画像を見てみると、実線画像の時点で線画飛び出していることが分かります。


鉛筆ツールを透明色モードで使用して、この実線の出っ張り部分を消去してください。
 
出っ張りを消去したら、セル画像を作成して開く...コマンドで、セル画像を更新します。
 
すると、このように線のでっぱりがなくなります。ポイントは、彩色画像の方は全くいじらなくても良いという点です。実線画像の方さえ修正すればこの問題は解消します。

もしかしたら上のセル画像の左下の肌の明色と影色の境界部分が若干薄くなっている事が気になるかもしれません。これを解消する方法をついでに示します。再び、左側の画面を彩色画像に切り替えます。反転有効コマンドを利用し、保護色を反転して色トレス線に色が塗れるようにし、単色ブラシツールでこの部分を修正していきます。
 
このように、肌色一号影の部分を少し左下へ向かって色トレス線上に彩色し、セル画像を作成して開く...コマンドで、セル画像を更新します。すると、前よりは少し良くなりましたね。

ただ、こんなにも細かいところまで修正すると、色トレス線を自動で除去してくれるとしても大変な労力がかかります。細かい部分は気にしない…、どうせ動いたら分からない…、というスルー力もアニメの仕上げ作業には必要だと思います。
黒マスク表示
 
黒マスク表示コマンドでビューを黒マスク表示することができます。黒マスク表示とは、透明部分以外を黒マスクとして表示することで、塗残しの検査を行うための表示のことです。

AniLaPaint では少々の塗残しがあっても、すべてのセル画を作成...コマンド等で作成したセル画像ファイルでは自動的に塗残し穴が塞がれた状態になっているので大した問題ではありません。

ただ、それでも大きな領域を塗り残した場合には、セル画像でも塗残しとして透明な穴が開いた状態になってしまいます。例えば上記の例だと、白目を塗り忘れることがあっても気づきにくいので、保存前にはこの黒マスク表示で塗残しの検査を行うと良いでしょう。

透明色の変更
 
透明色カラーピッカーパネル色指定パネルなどから透明色を変更することができます。
色を塗る前から透明色を仕上げに使用しない色系統のものにしておけば、黒マスク表示に一々切り替えなくても塗り忘れを防ぐことができます。
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