AniLaPaint ver1.6 取扱説明書/環境設定セル画像の実線

 
⚠ 注意事項
  次の場合「●カット毎の個人差を低減するための処理 」は表示されません。
● 実線画像がない場合 (Alt+1)

実線画像ファイルが存在しない場合に、実線部分をどう処理するかを設定します。
通常のこの機能は使用しません。なぜなら、インポート時に実線画像を作成するのがデフォルトだからです。

◉ 全色トレス素材で実線無し
実線画像ファイルが存在しない場合には、全色トレスのセルとして扱います。彩色画像ファイルの黒線も色トレス線であるとみなされ、周りの色で補完されます。

この機能が存在する理由は、例えば、煙などの「全色トレス」の動画の場合のためです。「全色トレス」の動画では、実線は最初から存在しません。この設定によって、「全色トレス」動画の場合には、インポート時に「実線画像」を作る必要がなくなるため作業量を減らすことができます。
○ 彩色画像の黒トレス線を実線とみなす
実線画像のファイルが存在しない場合には、彩色画像ファイルの黒トレス線を実線とみなします。この場合、実線は2値線となります。
この機能を使う場合には、彩色画像の色トレス線の中に「黒」が混じっていると失敗します。

このように色トレスに黒が混じっていると…、

セル画像でもその黒が残ります。
インポート時によほど注意して2値化の設定を絞り込まないとこのようになってしまいますのでご注意ください。インポートの2値化の設定には、色トレス線内に別の色のドットが入り込んだ部分をある程度自動消去する機能がありますので、そういった機能を併用する必要があるでしょう。それでも、色トレス線の中に若干の黒が残ると思うので、セル画像ファイル作成前に、それらを手作業で周りの色トレス線と同色に塗り替える必要があります。

通常はこのモードを選択するのはやめてください。
●カット毎の個人差を低減するための処理 (Alt+2)
カット毎に実線の濃さが変化するのを防ぐための設定です。実際のところ、この設定が必要になることはほとんどありません。なぜなら、似たような項目が動画のインポート時の2値化のページにあるため、普通はインポート時にそれを行っているからです。
ただ、実線を2値にするか多値にするかインポートの段階ではあえて決めず、仕上げ時には実線多値で作業し、セル画像ファイル作成時に2値にするかを決めたいという要望もありました。そういった方のために、この機能が存在します。

◉ 実線のまま使用
実線画像ファイルのグレースケール階調線のまま使用します。以下のオプションと併用することで、階調線の濃さのばらつきを低減できます。

☑ 実線の濃さの平均値を常に一定にたもつ (Alt+4)

このチェックをオンにすると、バーとエディット・ボックスが表示されるので、 0 ~ 255 の間の値を設定できます。0 にすると実線の濃さが濃くなり、255 にすると薄くなります。

この機能は画像全体の線の濃度を一定にするだけで、1枚の画像の部分部分の濃淡の均一化を行うものではありません。一方、動画のインポート時の2値化のページには、1枚の画像内の部分部分の濃淡の均一化を行う機能があります。できれば、インポートの2値化時に実線の濃さの統一は行っておいてください。この機能はあくまで「あと出し」の対処療法としてしか使えません。

例えば、「演出的な意味合いで、このカットはあえて実線を細くしてほしい」と「あと出し」で演出から要望が来たとします。すでにそのカットが仕上げ済みの状態です。どうすればいいのか……。そんなとき、この機能を使って「明度 200」に設定すると、対処療法的に実線を細くすることができます。反対に、「明度 50」に設定すると、線を太くすることができます。

チェックなしの場合。

チェックあり「明度 200」の場合。

チェックあり「明度 50」の場合。
「明度 200」の時、実線だけ細くしたのがかえって色トレス線の補完のグラデーション幅は元のままなのでアンバランスに感じられます。実線を細くする場合は、色トレス線も合わせて細くしたほうが良いでしょう。別のページにある「セル画・色補完」タブの「細線化」の設定を利用すれば、色トレス線も細くできます。
○ 実線を2値化して使用
実線画像ファイルのグレースケール階調線を2値線に変換して使用します。2値線にすることで線の濃さなどの個人差が出ませんが、線の太さには個人差が多少出ます。


この値を閾値とし、この値未満のピクセルは黒(0)に、それ以上は白(255)とみなします。

実線多値のまま使用。(元画像)

実線2値化「180 未満は黒」の場合。

実線2値化「120 未満は黒」の場合。
上記のように、数値が小さくなるほど線が細くなります。ただの「しきい値」なので、数値を小さくしすぎると線が途切れてしまいますので注意ください。
実線を2値化するのは、撮影ソフトにアンチエイリアシングの機能がある場合のみ利用できる手です。その場合、色トレス線も2値の状態にしたほうが良いでしょう。上記の例では色トレス線の補完は多値のままですが、別のページにある「セル画・色補完」タブの「トレス線・補完方法」で「明色 または 暗色」にすると、色トレス線の補完部分も2値にすることができます。
[ 出荷時の設定に戻す ] ボタン(Alt+D)
 
このボタンを押すと、このタブ内の全ての設定値を、出荷時のデフォルトの状態に戻します。
[ 設定開始の状態に戻す ] ボタン(Alt+R)
 
このボタンを押すと、このタブ内の全ての設定値を、先ほどこのダイアログを開いた時の値の状態まで戻します。
[ OK ] ボタン(Enter)
 
変更した設定を確定し、このダイアログを閉じます。
[ キャンセル ][ × ] ボタン(ESC)
 
これらのボタンを押すと、処理をキャンセルしてこのダイアログを閉じます。
[ ヘルプ ] ボタン(F1)
 
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