AniLaPaint ver1.6 取扱説明書/パネル/ビルドパネルグラデーション

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「グラデーション」レイヤーは、任意の色を指定したグラデーション・エフェクト・レイヤーです。通常は「範囲を定める色」で、彩色画像ファイルの1つまたは隣接する複数の色を指定して、その色の範囲内だけに限定したグラデーションを生成します。

「グラデーション:瞳 - Hi」無しの場合


「グラデーション:瞳 - Hi」有りの場合


このように、エフェクト・レイヤー重ねのリストボックスの項目に設定されている色は、グラデーションを付けたい任意の色を指定します。
エフェクト・レイヤー重ねのリストボックス

ここで表示されている色でグラデーション・エフェクトが施されます。
色を変更したい場合は、ボタンをオンにして項目をクリックしてバケツカーソルしてこの項目をクリックすると、カラーバーに表示されている現在の選択色に変更できます。
レイヤーの色

上のリストボックスで指定した色の値が表示されています。 この数値を直接変更する事でもグラデーションの色を変更できます。
不透明度

このレイヤーの不透明度を 0 〜 255 の間で指定できます。
値を小さくすると透明に近づきます。
グラデーション設定
グラデーション・エフェクトの詳細を設定します。
角度
透明方向へ向かう角度を時計の針の方向の角度で指定します。

0 度は、0時方向へ向かって透明にしていく。
90 度は、3時方向へ向かって透明にしていく。
90 度は、6時方向へ向かって透明にしていく。
270 度は、9時方向へ向かって透明にしていく。

右上の瞳の下のグラデーションは、120 度なので、4時方向へ向かって透明にしていく…つまり、右下へ向かって透明にしていくようなグラデーションがかけられています。
色限定内に追従
通常は、True にして使用します。
下で説明する「範囲を定める色」の中だけを限定してグラデーションの開始点と終了点を決めるという意味です。

右上の絵の例で説明すると、「範囲を定める色」に瞳の下の部分の色が設定されているので、この色の範囲内に限定して、この範囲に接する円上にグラデーションの開始点と終了点を設定したグラデーションにするという意味になります。
とはいえ、目は2つありますので、通常なら、2つの目で1つのグラデーションしかかかりません。次の「透明分離して追従」と合わせてしてすることによって、「瞳 - ノーマル」色それぞれの部分に「追従して」グラデーションをかけることができます。

この値を False にすると、画面全体にグラデーションがかけられた上で、「範囲を定める色」内の部分だけを切り出すという動作になります。
透明分離して追従
通常は、True にして使用します。
下で説明する「範囲を定める色」で指定した複数の色以外を全て透明と仮定して、透明な部分で区切られている色の集合を分離した素材として扱い、それぞれに対してグラデーションをかけます。

False の場合


左右の「瞳 - ノーマル」部分を1つ部分として扱い、右目から左目へ向かって、120 度(右下)の方向へ向かってグラデーションがかかります。そのため、右目は 100% に近く、左目は 0% に近いグラデーションになっています。True の場合


左右の「瞳 - ノーマル」部分を分離して2つの部分として扱い、それぞれの部分で 120 度(右下)の方向へ向かってグラデーションがかかります。こうすることで、顔を傾かせていたとしても、「瞳 - ノーマル」部分毎にグラデーション位置が追従します。

では常に、True にしておけばよいかというとそうでもありません。例えば、髪の毛にグラデーションをかける時には、髪の毛の部分が絵によって分離されてしまわないように、False にした方が良いでしょう。

下の例では、分かりやすくするために極端な Hi グラデーションをかけています。

True にして髪の毛にグラデーションを付けた場合

もみあげ部分の髪が分離され別のグラデーションがかかってしまっています。

False にして髪の毛にグラデーションを付けた場合

自然に見えます。
最小ピクセル数
デフォルトは、 0 ピクセルです。常にグラデーションをかけたい対象の「範囲を定める色」が画面内に収まっている場合には、0 を指定してください。

グラデーションをかける部分の一部が画面から見切れてしまっている場合に、この数値を設定することで見かけ上のグラデーション幅をある程度一定に保つことが可能になります。

この値を設定すると、グラデーションをかける範囲を下で説明する「範囲を定める色」で指定した複数の色から求める際に、その矩形領域が画像の端に接している場合でかつここで設定した最小ピクセル数よりも小さい縦または横のサイズの場合に限りサイズを拡張します。拡張される方向は、画像の端に接している矩形領域を画像外の方向へ拡張します。つまり、見切れている画像外の部分に範囲があると仮定する拡張になります。

左図のパネルをご覧ください。「髪 - ノーマル」の部分に限定して「グラデーション: 髪 - Hi」をかけています。髪の毛の部分にうすくグラデーションをかけるのは、最近のアニメのほとんどの作品で行われていることですが、これのグラデーションを自動化する上で、どうしても問題が発生します。
それは、色の範囲を限定してグラデーションをかけるということは、色の範囲が常にその素材部分の全部を示していないとダメだということです。この場合は、髪の毛にかけているので、髪の毛全部が常に画面に入っていないとダメだということです。髪の一部だけ画面に入っていたとしても、コンピュータはそれを一部だとは解釈できませんので、髪の毛の全体にかけるグラデーションと同じ処理を、画面の入っている一部の髪の毛にもかけてしまいます。

下の例では、分かりやすくするために極端な Hi グラデーションをかけています。

最小ピクセル値 0 にした場合



一番初めの絵が、見えている部分の半分までしかグラデがかかっていません。この部分が全ての髪の部分と認識しているために、その上部 50 % だけにグラデーションをかけたわけです。

最小ピクセル値 1100 にした場合



一番初めの絵の下が見切れていると認識し、全体で 1100 ピクセル縦幅があると仮定してグラデーションを付けるので、初めの絵と2つめの絵の頭頂部のグラデーションの濃度が同程度になります。
ラスト位置
このグラデーション・エフェクトは、範囲内で方向を指定して徐々に透明にしていくグラデーションですので、スタート位置常に範囲の端っこであり指定で変更できるものではありません。ラスト位置、つまり完全な透明にする位置だけを指定できます。

全体にグラデーションをかける場合には 100 % となります。半分までグラデーションをかける場合には 50 % となります。入力するのは数値のみで % は不要です。
問題点
グラデーションは特定の色の範囲に追従してかけるのが普通なので、仕上げ時にかけるのは問題が発生します。なぜなら、セル分け次第によってはグラデーションの範囲などが変化してしまうためです。

たとえば、髪の毛の一部分を途中から別セルに移動させたとします。すると、元の髪の毛と、移動した別セルの髪の毛では別々にグラデーションがかかってしまうことになり、動画にした時にその部分でグラデーションがパカってしまいます。

仕上げ時にグラデーションをかけるのは、絶対に一部分が別セルに移動することが無いとわかっていたり、セル間を移動しても部品そのものが小さく、同じグラデーションがかかることが予測できる場合に限られます。

また、仕上げ時に 24 bit カラーにすることでモアレの問題が発生しやすいという問題もあります。特に、髪の毛のグラデーションなど広い範囲にかかる場合にこの問題は深刻です。

以上から、小さい部分のグラデーションは仕上げ時行っておき撮影時の省力化につなげ、広い範囲のグラデーションは、撮影時に行うのが良いという事になります。そうなると、一部分にグラデーションなどやぼかしなどがかかっている素材に対して、再度撮影時にグラデーションを追加するということになりますので、例えば、髪の毛の色の部分だけを別セルに切り出して、マスク化するなどの工夫も必要となります。色置換色抽出パネルを使えば、一部の色を切り出してマスクセルを作ることも簡単にできます。
ノイズ追加

このレイヤーにノイズを追加するかどうかを指定します。

True にすると、「ノイズの設定」が表示されます。


「ノイズの発生率」
ノイズの発生率を 0 〜 1000 の間の値で指定します。
値が大きいほどノイズが多く追加されます。

「ノイズのチャンネル」
ノイズを追加するチャンネルを 0 〜 4 の間の値で指定します。
(0 = RGB, 1 = R, 2 = G, 3 = B, 4 = αチャンネル)

「範囲を定める色」の設定
色は必ず、 彩色画像ファイル に使用されている色から選択することになります。 グラデーション・エフェクトを付ける対象の色を設定します。 隣接する複数の色を選択して、一塊の範囲にグラデーションを付けることもできます。

彩色画像ファイル には、色トレス線の部分がありますが、この部分の扱いがどうなっているのかという事について説明します。 この色トレス線部分は、この「範囲を定める色」に含まれるのかどうか?というと自動的に含まれます。 つまり、色トレス線が補完されるべき部分も含めた範囲が設定されます。通常は、色トレス線にグラデーションを 付けている場合であっても、色トレス線の中間までの部分が範囲となります。 この範囲をさらに手動で修正するために、「範囲の拡張・縮小」の設定があります。 色の範囲を補正するためにピクセル単位で拡張・縮小できます。(マイナスの数値は縮小)
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