- ●ver 1.4.9.6 で変更・追加した機能
このバージョンで追加した機能は以下のとおりです。
- 起動時の作品名による環境変数の選択画面と初期設定ウィザードの変更については以下のとおりである。
- 起動時の作品名一覧の画面で、作品名のリスト上の上下の移動を可能とした。
- 環境設定を *.anila_conf ファイルのみとした。INI ファイルやレジストリへの保存を廃止した。
- 初期設定には基本 *.anila_conf ファイルのファイル・パスのみ記述し、環境設定の部分はすべて *.anila_conf ファイル内に収めることにした。これによって、環境設定の他PCとの環境の同期が可能になる。
- 初期設定の「動画の『2値化』に関する設定」画面を廃止した。
- 初期設定の「『グレースケール階調の実線を使用するかどうか?』の指定」画面を廃止した。
- 初期設定の「実線画像ファイル」画面を追加した。
- 初期設定の「『ファイル』に関する設定」画面を廃止して、終了音については環境設定の「一括処理」タブへ移動した。
- 環境設定に「一括処理」のタブを追加し、「一括処理の終了した事を知らせるサウンド・ファイルの指定」と「一括処理時のプロセスとスレッドの優先度指定」を配置した。
- 動画の追加ウィザードに関する変更については以下のとおりである。
- 以前は、初期設定で他のソフトで2値化する場合と AniLaPaint で2値化する場合のモードを設定することになっており、動画の追加ウィザードのページ構成がそのモードに合わせて変化する仕様だったが、これのモード切り替えを廃止した。替わりに2値化のページの上のタブに「2値化」タブを追加し、「2値化処理が必要」か「既に2値化が施されているので不要」かを切り替え可能にした。これによって、他のソフトで2値化済みの動画の画像ファイルを取り込む時にも「線の色の変更」「ゴミ削除」「色漏れの防止」機能等が使えるようになった。また、「2値化処理が必要」にした場合でも、実線を「2値線」にするか「グレースケール階調線」にするかをこのタブ内で切り替え可能とした。
- 初期設定で実線画像を使用する設定になっている場合には、実線を2値線にした場合でも、実線部分を実線画像に分けて作業できるようになった。
- 2値化のオプション・ファイルの内部バージョンが上がった。以前の *.anila_import ファイルをこのバージョンで読み込むことはできる。しかし、一旦このバージョンで書き出した *.anila_import ファイルはより高いバージョンのファイルとなるので、もう以前の AniLaPaint では読む事が出来なくなる。(上位互換だけど下位互換ではない)
- 2値化のページの「元画像の調整」タブを大幅に変更した。@からFまでの順序で処理されることがわかりやすくなった。以下に今バージョンで追加した機能を説明する。
- @「回転・トリミング」ボタンを追加した。このボタンを押すと、元動画のトリミングや回転のためのダイアログが表示される。スキャナーではA4全体で取り込んでおき、このトリミング機能で常に同じトリミングが行えるようになった。
- C「アンシャープマスク」チェックを追加した。これをチェックすると量・経・閾の数値に合わせて実線部分のシャープさが際立つようになる。しかし、とても重い処理であるので、数値を変更するときにはチェックを外したほうが良い。
- D「ヒストグラム伸張」チェックを追加した。これをチェックすると、S は彩度の V は明度の ヒストグラムが伸張される。Eのしきい値で切る前にヒストグラムを伸張しておくことでバラつきを無くすことができる。
- Eしきい値切りを CMYK の K値, HSV の V値, HLS の L値, RGB値 のいずれかで切ることができるようにした。以前と互換なのは CMYK の K値で切る場合。
- F「色の鮮明化」チェックを追加した。色トレス部分だけがよりビビットな色へと変換されるため、色トレス線が黒と認識される部分が幾分抑えられる。
- 編集画面のビューに新たに幾つかのコマンドを追加した。
- コピー・貼り付け関連のコマンドを新たに追加した。
- 「切り取り」コマンドは、選択範囲を切り取りその部分を透明にすることができる。ただし、色保護が設定されているトレス線などは切り取ることができないように配慮されている。切り取る直前に暗黙的に「コピー」コマンドが実行され、クリップボードに切り取った部分がコピーされる。また、このコマンドを実行すると、「コピー・選択範囲のみ」コマンドも同時に実行される。
- 「コピー」コマンドは、選択範囲をクリップボードにコピーする。その際、位置がずれないように画像全体のサイズを変えること無く選択範囲以外を白に変換した画像としてクリップボードにコピーする。動画では位置がズレることは致命的なのでその配慮と、透明色が常に白である事を考慮したコピー処理になっている。また、このコマンドを実行すると、「コピー・選択範囲のみ」コマンドも同時に実行される。
- 「コピー・選択範囲のみ」コマンドは、画像はコピーすること無く選択範囲のみを記憶する。選択範囲は Windows のクリップボードに入れることが出来ないので、あくまで AniLaPaint のメモリー内にコピーするだけとなる。
- 「貼り付け」コマンドは、クリップボードから画像を取り出して現在アクティブなビューにペーストする。その際、色保護されている部分にはペーストできないようにする。また、 AniLaPaint で直前にコピーした画像であれば、位置がズレること無く貼り付けることが可能。選択範囲はクリップボードに保存出来ないので、コピーした時とは異なる矩形の選択範囲として貼り付けられる。ただし、貼り付けられる画像に予め選択範囲を設定しておくと、その選択範囲内にのみに画像を貼り付けることができる。
- 「貼り付け・転写モード」コマンドは、クリップボードから画像を取り出して現在アクティブなビューにペーストする際に、半透明の画像を表示し、ペーストする部分をペイントツールを使用して選択的に転写することが出来る。これは、動画の「組み線」を転写するための機能です。
- 「貼り付け」「貼り付け・転写モード」コマンドでは、実線画像なら実線画像でコピーした画像のみ、彩色画像なら彩色画像でコピーした画像のみを貼り付けることができる。他のソフトで直前にコピーした画像は、必ずしも貼り付けることが出来ない場合もありますし位置がズレるので注意が必要。
- 「貼り付け・選択範囲のみ」コマンドは、直前に「切り取り」「コピー」「コピー・選択範囲のみ」コマンドを実行した時の選択範囲のみを現在のアクティブなビューに貼り付けることができる。選択範囲については、実線画像・彩色画像間で、コピー・貼り付けが可能。
- 「貼り付け・前画像と合成」コマンドは、実線画像において「貼り付け」コマンドを行った時に、前画像を残したままクリップボードの画像を合成して貼り付けるモード。彩色画像において「貼り付け」コマンドを行った時に、貼り付ける画像側の透明部分や貼り付けられる側の保護色部分についてはそのままで、それ以外の部分だけを貼り付けるモード。実線画像・彩色画像のどちらも、前画像との合成のように振る舞う。
- 「貼り付け・前画像を上書」コマンドは、実線画像・彩色画像共に、貼り付ける矩形部分を一旦クリアして透明にした後に画像を貼り付けるモード。貼り付けにおいては、選択範囲がクリップボードには無いので常に矩形の領域がクリアーされてしまう。もし、「カット」や「コピー」した時の選択範囲のまま、その範囲のみを貼り付けたい場合には、貼り付け作業を行う前に、「貼り付け・選択範囲のみ」を行ってから「貼り付け・前画像を上書」モードで「貼り付け」することで、選択範囲も活かした上書き貼り付けが可能になります。
- ズーム・ツールを新たに追加した。
- 「拡大モード」「縮小モード」のどちらかを選択することで、拡大専用・縮小専用にツールのモードが変わる。
- 拡大モードの時、画像上をクリックするとその画面上の位置を変えること無く拡大が可能。
(この機能には少々バグが有り、そうならない時がある) - 拡大モードの時、画像上をドラッグすることで、その範囲を拡大することが可能になる。
(この機能には少々バグが有り、そうならない時がある) - 縮小モードの時、画面上をクリックするとその画面上の位置を変えること無く縮小が可能。
- 縮小モードの時、画面上をドラッグするとハンド・スクロールモードになる。
- 選択範囲の拡張・縮小に関するコマンドを新たに追加した。
- 「1ピクセル拡張」コマンドは、現在の選択範囲を1ピクセル分だけ広げることができます。
- 「1ピクセル縮小」コマンドは、現在の選択範囲を1ピクセル分だけ縮めることができます。
- 「ピクセル拡張・縮小」コマンドは、現在の選択範囲を数値で指定したピクセル分だけ拡張・縮小することができます。
- 選択ツールのモードに新たに AND と XOR を追加した。
- マスク表示を同期するコマンドを新たに追加した。「マスク表示を同期」コマンドを「オン」にしておくと、ビューの MDI 表示の際に「マスク表示」コマンドを選択した時に、全てのビューが一斉に同期してマスクの表示状態を変化させます。ただし、実線画像と彩色画像画像のビューは別々に同期します。
- スポイトツール・パレット・色指定表などで設定した色とカラーピッカーとの同期の方法を変更。
- 実線画像の時、カラーピッカーでグレースケールを選択した場合には、ペンで使用する色を変更するようにした。
- 実線画像のビューをアクティベートした時に、現在のペンの色をカラーピッカーが自動的に同期するようにした。
- 彩色画像のビューをアクティベートした時に、現在の塗り色をカラーピッカーが自動的に同期するようにした。
- それ以外の画像のビューでスポイトした時に、その色がカラーピッカーに自動的に同期するようにした。
- メニューの変更点
- 「カット」メニューの表示順を変更した。
- 「ツール」メニューを新たに追加した。以前「編集」メニューにあったペイント・ツールについてはこちらに移動した。
- 「編集」メニューにコピー・貼り付け関連のコマンドを新たに追加した。
- 「ツール」メニューにズーム・ツール関連のコマンドを新たに追加した。
- 「選択範囲」メニューに選択範囲の拡張・縮小に関するコマンドと AND と XOR のモードを新たに追加した。
- 「ビュー」メニューに「マスク表示を同期」コマンドを新たに追加した。
- それぞれのメニューの文字列については、前バージョンと少し変えてあります。今後もヘルプを書く際に、他のメニューや説明文との整合性を取るために変更する可能性はあります。
- ツールバーの変更点
- デフォルトでツールバーの文字は非表示とした。マウスカーソルをアイコン上に持っていけば、ボタンの1行説明がポップアップされますし、同時にステータスバーにももう少し長い説明が表示されますので、説明のテキストは不要か思います。画面をできるだけ広く取りたい場合には、デフォルトのまま使用することをお勧めいたします。なお、初期設定の「ツールバー」のページで以前のように説明のテキストを表示させることは可能です。
- ペイントツールのツールバーはドッキングバー形式にすると落ちるバグが有りましたが、修正は不可能に近いのでこの機能を廃止しました。ペイントツールのツールバーは、初期設定の「ツールバー」のページで変更可能ですが、「フローティング形式」もしくは「クールバー形式」のみとなります。
- ツールバーの「ビュー切替」をデフォルトで非表示とした。このツールバーの一部のボタンは、ペイントツールのツールバーの方にも表示することにした。
- ペイントツールのツールバーに、「ビュー切替」ツールバーにあった幾つかのボタンを追加した。新たに追加した、コピー・貼り付け、選択範囲の拡張・縮小、ズームに関するボタンなどを追加した。特に、ペン・タブレットを使っている時にペンの移動範囲をなるべく少なくしたいので、よく使うコマンドをペイントツールのツールバーに集約した。
- 編集クールバーに、ズームツールの拡大・縮小モードの変更ボタンと、貼付け時のモード変更ボタン、選択ツール時の AND と XOR ボタンを新たに追加した。
- Tiff ファイルに関する取り扱いを取りやめた。 LEADTOOLS のライブラリがエラーを起こしてうまくロード出来なくなった。おそらく Windows 8 以上で起こるバグで当方ではこれを修正できないので、 Tiff ファイルの読み書きは行えないようにした。また Tiff ファイルに関しては複雑すぎて毎年幾つもの脆弱性などが他社が作ったアプリなどでも報告されており、個人としてこれをサポート・脆弱性の修正のために頻繁なバージョンアップなどが困難などの理由から、製品版でもサポートしない方針とした。
- また ECW, GIF, NMG, SCT, WMF, WMZ 形式の読み書きもサポートが困難になるという理由で使用しないことにした。
- 以上のように、変更点が多義にわたってあるので、前バージョンからの環境設定の引き継ぎは前バージョンでも *.anila_conf を使用していた場合にのみ行えるようにした。また、動画の2値化時の設定ファイル *.anila_import や、動画の2値化をやり直すときに必要な ImportLog.dat ファイルもバージョンアップされています。つまり、このバージョンでデータを読み書きすると環境線数だけでなくデータ自体も色々な部分がバージョンアップされるので、古い AniLaPaint には戻せなくなります。以前のバージョンに戻す場合も考えたら、データの事前のバックアップが必要になります。
●環境設定について
このバージョンから、環境設定にレジストリは使用しないことにしました。初期設定でユーザが指定した、*.anila_conf ファイルに環境設定が保存されます。前バージョンの ver 1.4.9.5 で作成した anila_conf ファイルは読めますが、INI ファイルやレジストリに保存した環境設定は一切読めません。そのため、このバージョンは過去バージョンをアンインストールしなくてもインストールすることができるようにしてあります。前のバージョンと本バージョンを両方起動して、両方のバージョンの環境設定を開いて確認しながら手作業で以前の環境に近い設定にする事は可能です。
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